初めての……

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願わくば、山岡にもそうであって欲しいと思う。 人目を気にせず、手を繋げるこの喜びを、一緒に店に入ることの出来る幸せを、忘れないでいよう。 「先生、このお店、初めて?すっごく、素敵なんだけど」 食事中に、目をキラキラと輝かせて、キョロキョロしながら言う姿を見て、このチョイスに間違いがなかったと安堵した。 「初めてだよ。何となく、女の子の好きそうな雰囲気がしたから、車を止めた」 童話に出てきそうな小さな山小屋のような感じと言えばいいのだろうか? ログハウスっぽいと言えばいいのだろうか? 外見は、そんな木で出来た小屋で、一歩店に足を踏み入れると、木とコーヒーの匂いがミックスされて居心地がいい。
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