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「それにしても十億なんて、凄い話だな。
そのデスギャンブルってのは、どうやって参加するんだ?」
またしても斉木が、肝心なところを聞いてくれた。
当然、立花にも気になるところであり、父の敵討ちという行為にとって、欠かすべからざる情報である。
しかし、それに対する返事は西野ではなく、テーブルを囲んで座る立花達の斜め上から、返ってきた。
「失礼ですが、デスギャンブルについて、お話でございますか?」
突然の乱入者に、立花は驚いて振り向く。
そこには、一流ホテルのフロントと言われても違和感が無いような、隙のない服装の男が立っていた。
「なんや、上田はんかいな。久しぶりやな。」
西野は見知った顔のようである。
「ご無沙汰いたしております。西野様。
それと、はじめまして、斉木様、立花様。
わたくし、当店のフロアマネジャーをいたしております、上田と申します。以後、お見知り置きください。」
出来すぎた礼儀作法で、上田と名乗る男が、三人に頭を下げた。
「立花です。それより上田さんは、デスギャンブルについて何か知ってるのですか?」
初めて、父以外の情報源から、デスギャンブルについて聞くことが出来そうなので、立花は逸る気持ちを抑えきれず、挨拶もそこそこに質問してしまう。
「率直に申し上げまして、わたしくしはデスギャンブルに関して、かなり詳しく存じております。」
上田は営業用の笑顔を崩さず、爽やかにそう言った。
「でも、どうせ教えてくれないんだろ?」
斉木が皮肉タップリにそう言うと、上田は心外そうに肩をすくめてみせる。
「お教えしたいのは、やまやまなのですが、極秘事項でございますので…」
そこまで言うと上田は腰を落とし、三人にだけ聞こえるような声で、
「ですが、わたくしと勝負して勝つことができましたなら、お教えしてもよろしいですよ。」
と、イタズラっぽく囁いた。
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