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「兄さん…」
廊下に出るなり明人がいた。
明人は俺の姿を見て、驚愕の表情を浮かべる
「見られてしまいました…」
「え?」
「小さな女の子に現場を見られてしまいました。俺は捕まりますね」
「兄さん…」
「可愛い子でした。きっと将来はかなりの美人になるでしょう」
「兄さん…?」
「見つけてしまいましたよ。明人」
今、俺の中にあるのは目撃された恐怖ではない
「俺の願いを叶える少女を」
今までにないほどの喜び
「彼女こそ俺の理想にふさわしい、やっと…やっと見つけたんです!」
興奮しながら俺は明人の肩を掴んだ。
「後五年…そうすれば彼女は俺の理想の姿になります」
「…」
明人は驚きで何も言えなかった。
「通り魔は今日で最後です。そして始まりです」
俺は笑いながら明人から手を離した。
「楽しみです。彼女が俺の手にかかる瞬間が」
「兄さん…」
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