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「影人君!一緒に帰ろう?」
「あ、はい」
教室を出てすぐにクラスの女子に呼び止められる
どうやら廊下で待っていたようだ。
明人に言われて知ったのだが
自分はモテるらしい
顔…は正直言って普通だ。
多分、家柄が目当てで近づいて来てるのだろう
「影人君、面談どうだった?」
「普通ですよ。大学も決まってますからね」
「やっぱり?さすが影人君」
女子のキラキラした目に、俺は思わず笑う
いつもの俺ならそんな彼女を見ながら考えていただろう
俺が彼女を傷つけた時の姿を
そんな彼女に魅力すら感じていたはず
しかし目の前の彼女になんの感情も感じない
美しいとも
傷つけたいとも
やはりカランに出会ってしまったせいだろう
不思議と女性を傷つけたい欲求すら、自分の中にはなかった。
それを感じるのはカランのことを考えるときだけ
まるで恋だ。
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