狂気の世界

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「影人君、今日は付き合ってくれてありがとう!」 「いえ」 俺が過去を思い出しているうちに、クラスメートである女子の買い物は終わったらしい 「弟さん…喜んでくれるといいですね」 「うん!」 彼女が何を買ったのかは知らない 気づかれないように適当に受け流していたから 「帰り…よかったら送って行きましょうか?」 「いいよぉ、影人君も疲れたでしょう?」 「そんなことありませんよ。最近は物騒ですから、一人で帰らせるのも心配なので」 「ありがとう。お願いしていい?」 「はい」 俺は彼女の荷物を持ち、一緒に歩き出した。 歩き出すなり彼女が何やら楽しそうに話し出す。 俺は合わせて相づちを打つ その時、俺達の目の前に二人組の少女が歩いてきた。 「あの子達可愛い~姉妹かな?」 隣を歩くクラスメートが驚きの声を上げる 二人は気づいていないが道行く人が思わず振り返る まさしく美人姉妹という言葉がふさわしい 「!」 近づいてきた少女の顔を見るなり俺ははっとした。 (カラン!) 間違いなく近づいてきているのはカランと妹のロキアだ。
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