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こうしてカランにここまで近づくのは初めてだ。
今までにない緊張が俺を襲う
「あんな美人の姉妹もいるんだね。ハーフかな?」
「そうですね…」
必死に冷静を装う
段々カランとの距離が縮まる
カランはロキアと話しているので、こちらには気づいていない
「…」
ついに目の前に迫る二人
緊張の瞬間
カランが顔を上げ、視線がぶつかった。
もしかしたら気づかれるかもしれない
カランがあの日見た犯人が俺であることを
そうすれば全てが終わってしまう
しかしカランは目の合った俺に、にっこりと笑いかけた。
そこには悪意も恐怖もない
普段カランが友人に向けてる優しい笑みだ。
俺も軽く会釈をする
そして何事もなかったかのように歩いていく
ほんの一瞬の出来事
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