狂気の世界

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「影人君、知り合い?」 「いえ、たまたま目があったもので」 「そうなんだ。あの子達中学生かな?」 「最近の女子は大人っぽいから私服だとわかりませんね」 本当は知っている 「影人君年寄りみたいだよ」 隣で女子がクスクスと笑った。 俺も合わせて笑う (どうやらカランは俺の正体に気づいていないみたいですね) あの日、あの現場を見たカランは悲鳴も上げずに逃げていった。 下手したらショックで記憶が曖昧になった可能性もある ショックを受けた脳が記憶を改竄したり、忘れたりする ありえない話ではない (どちらにしろ思い出すことになるでしょう。五年後に俺はカランの目の前に現れるのだから) 同時にカランの最後の時でもあるが
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