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どうしたものかと
考えながらふとノブを
見ると影に隠れていた
鍵穴を見つけた。
「鍵穴からならいいか…」
鍵穴からそっと覗いて
顔から血の気が引いた。
俺の目に飛び込んでくる
のは一面の赤、赤、赤。
まるで血を塗りたくった
ような真っ赤な部屋。
「な、なんだよ…これ…」
怖くなった俺は
逃げるように車に戻った。
そのまま車を出すと
急いで会社へ戻った。
「どうした?
顔色悪いぞ、お前」
「…ちょっとな…」
夜勤で会社に残っていた
友人に何かあったのかと
問われたが“あれ”を
話しはしなかった。
きっと信じてもらえない
とわかっていたから。
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