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「……すまない。俺は……やっぱりお前とは付き合えない。俺は、刹那しか駄目なんだ」
……うん。
分かってた。
其の澄んだ綺麗な黒瞳を見た時、ボクは思った。
―――――嗚呼。
やっぱり、駄目か。
って。
貴方をボクで縛る事が出来ない事くらい最初から分かってたよ。
でも少しでも一緒に居たくて…。
一緒に居たら、思い出してくれるかなって少しだけ期待してた。
あの時の事を―――――…
高校入学したての頃。
気弱な性格からボクは中々友達が出来なかった。
近付いてくるのは皆
身体目的の欲望丸出しの奴らばかり。
直ぐにでもこんな学校なんか辞めてしまいたかった。
でも……、ボクには帰る場所なんて無い。
両親はボクが中1の頃に事故で他界してしまっていて。
唯一の肉親は6つ上の姉のみ。
世話になれる親戚も居なく、
当時、高校を卒業したばかりの姉と2人で生きていくしか無かった。
当然社会人に成り立ての姉は、対して給料を貰える訳もなく。
ボクは学校を辞めた。
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