無限大な男

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 まだ梅雨のジメジメが残っている七月一日。 私は帰ろうと思い、教室を出ようとした。 「俺もう、やっていけないや」 「……」  目の前から歩いてきた男は私に話しかけてきた。 ……コイツ。 「だって、テストの点  ヤバかったんだ」 「ふーん何点だったの?」 「100」 「……」  私は右手の親指を立てて下に勢いよく落とした。 もちろん笑って。 「あ、斎藤さん」 「何」 「パンツ見えてるよ」 「死ね!」  こんな変態な男に会ったのは今年の春。 簡単に言えば入学式の日。  
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