無限大な男

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     * 「沙耶、何で自己紹介とか  世の中に存在するの?」 「分からん。ヤダねぇ」  後ろの席から話しかけてきた声の高い女の子は岡本 紗英。 紗英は入学式――まぁ、今日知り合ったばっかりだけど話の合う子だ。 「はい。じゃぁ次は岡本」 「は、はい。岡本紗英。  趣味はピアノで特技は  無いです」 特技私も無いな。 「次、斎藤」 「斎藤沙耶。  趣味は買い物。  特技は無いです」 「へぇー。特技無いとか  面白いね」 ……は?  隣を見ると――あらイケメン君がニコニコ笑っているじゃないですか。  普通に、格好いい。 「そう、かな?」 「うん。面白いっ」 ── そんな第一印象は崩れることも知らずに、私は隣の彼が急に気になりだしてしまった。  
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