無限大な男

6/11
前へ
/182ページ
次へ
     *  そしてあれから約3ヶ月経った。 私の気持ちを踏みにじった男は 「うほッ!いい男!  斎藤さんもそう思わない?」  ひょうひょうと生きてやがります。ウザい程に。 「アンタ、ホモ?」 「NO!」 「……」 「……え?何?近付かないで  斎藤さん!? オギャァァ!!」 「殴ってもいい?」 「殴ってるよね!?  頬が痛いんだけど!  せめて グーじゃなくて  パーで殴って!」  こんな感じで、コウとは戯れている。  なんていうか、あの入学式の自己紹介の前に恋したけど――多分恋したんだろうけど あの自己紹介で生理的に受け付けないと思った。 思ってたのに 「あ、斎藤さん」 「ん?」 「笑いなよ。笑ってた方が  斎藤さんらしいよ」 ──ドキン ……まだ、好きでした私。  
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

270人が本棚に入れています
本棚に追加