修学旅行前夜

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俊は高2。 修学旅行先は何と彼にとって人生初めての海外だった。 早くその日になるのが楽しみで,一週間前から怪我をしないように階段を慎重に上り下りして,毎日イソジンでウガイをするという徹底ぶりだ。 俊「はぁ,ついに明日か‼」 俊は三日前に準備を済ませていた。 10度目の確認を済ませ,窓を開けて部屋に肌触りのよい夜風を誘いこむ。 そして,目の前にあった一際輝く星を見ながら11度目の確認を始める。 念には念を入れる性格のようだ。 俊「あっ‼ひょっとしたら,ひょっとするかもな。」 そんな小言を呟きながら,俊は並んでいるハリポタの本の“秘密の部屋”を取り出した。 そして,開くと中にはコンドームが入っていた。 それを手に入れ両手で重ね合わせ,さっきの輝く星に拝んだ。 俊「桜と…ブツブツ」 その時,チャリーンと着メロがなった。メールだ。 俊(誰だろ?) 携帯を見ると桜からだった。 桜「明日,やっと修学旅行だね。明日の“フリータイム”一緒に買い物行かない? 男の子と行ったら,男の人へのお土産,何がいいかとか選びやすいじゃん?」 桜からの思いがけない誘いに速攻で返した。 俊「お願いします‼」 桜「なんで私がお願いされるのよ(笑) じゃ,そゆ事で明日ね。」 俊桜「うん🎵」 俊はますます明日が楽しみになった。 そして,もう一度“秘密の部屋”を開き,もう一個取り出して,星に「ありがとう」と頭を下げつつ,自分の財布に2個 しのばせた。 流石にパンパンだ(笑)。 そして,携帯のアラームを10個全て一分ごとに設定して,目覚ましをつけて寝た。 俊(早く明日になれ‼) 俊が眠りにつくのはそれから2時間も後の事だった。
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