12727人が本棚に入れています
本棚に追加
音のした方向は優だった。
さっき指揮官が渡した銃だ。早くこのゲームが終わってほしかったのか,恐怖からなのか分からないが,優の顔は人殺しになる大きな覚悟をした顔付きになっていた。
音の向かった方をとっさに見る。
俊,伸二,勇「‼」
『ガタッ‼バタン』
倒れる音がした。
しかし倒れる音がしたのは銃声がした方からだった。
指揮官はニヤニヤと優を見ている。
指揮官「たけおか➰,こうなる事くらい分かってるんだよ。だから,弾を抜いて空砲にしてあった。危ないな➰。鉄の固まりが私を突抜る所だったじゃないか。」
優は物静かな女の子である。だから,今日起った事は優には衝撃が強すぎたのだろう。優は銃を落とし落胆で膝から崩れ落ちて,ぐすぐす泣いている。
指揮官「まあ,いろいろあったしな可哀想だ。ゲームには無事参加させてやろう。」
クラスに少しの安堵感が流れる。
指揮官「さて,始めるか‼」
安堵感に《ピリッ》と緊張感が吹き込む。
指揮官「鞄の中には,食糧と武器がランダムに入っている。後,お前らの旅行の荷物は返す。受け取ったらこの飛行機から降り,まずは荷物をまとめた方がいいと思うぞ。逃げやすくな。
奇数は左から,偶数は右からそれぞれ受け取ってゆけ
1番。秋山 仁(あきやま ひとし)‼
2番。石井 健‼」
『ガガガ。ガサ‼タッタッタ‼』
荷物を受取り,走って行く。
最初のコメントを投稿しよう!