開始

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音のした方向は優だった。 さっき指揮官が渡した銃だ。早くこのゲームが終わってほしかったのか,恐怖からなのか分からないが,優の顔は人殺しになる大きな覚悟をした顔付きになっていた。 音の向かった方をとっさに見る。 俊,伸二,勇「‼」 『ガタッ‼バタン』 倒れる音がした。 しかし倒れる音がしたのは銃声がした方からだった。 指揮官はニヤニヤと優を見ている。 指揮官「たけおか➰,こうなる事くらい分かってるんだよ。だから,弾を抜いて空砲にしてあった。危ないな➰。鉄の固まりが私を突抜る所だったじゃないか。」 優は物静かな女の子である。だから,今日起った事は優には衝撃が強すぎたのだろう。優は銃を落とし落胆で膝から崩れ落ちて,ぐすぐす泣いている。 指揮官「まあ,いろいろあったしな可哀想だ。ゲームには無事参加させてやろう。」 クラスに少しの安堵感が流れる。 指揮官「さて,始めるか‼」 安堵感に《ピリッ》と緊張感が吹き込む。 指揮官「鞄の中には,食糧と武器がランダムに入っている。後,お前らの旅行の荷物は返す。受け取ったらこの飛行機から降り,まずは荷物をまとめた方がいいと思うぞ。逃げやすくな。 奇数は左から,偶数は右からそれぞれ受け取ってゆけ 1番。秋山 仁(あきやま ひとし)‼ 2番。石井 健‼」 『ガガガ。ガサ‼タッタッタ‼』 荷物を受取り,走って行く。
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