出発

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教室に行くともう半数が来ていた。 少数の学校で全学年で57人である。 俊のクラスは1組で29人いる。隣の2組は28人である。 30分前に着いたのに半数もいるとは,正直俊も驚いた。 俊「みんな楽しみなんだな(笑)」 勇(いさみ)と言う俊の親友がさっそく話にのってきた。 勇「当たり前田のクラッカ➰‼」 そんな今時の若者が知るか知らないかのギャグを言い,教室の空気の温度を下げた。 その空気に春風を吹き込むように,爽やかな声で桜が入ってきた。 桜「みんっな。おはよ➰‼‼」 やっぱりテンションが高い。 そのテンションに便乗し,いつも挨拶をしない人からも挨拶が返ってきた。 俊は悪い事をしたわけでもないのに,ドキッとして下をうつ向いた。 やっぱり桜は可愛い…。 長澤まさみと戸田恵梨香の良いとこ取りした感じだ。 桜「お➰は➰よ?」 俊「あ,うん。おはよ。」 桜「フリータイムは,今日じゃなくて明日だったね(笑)。明日こそよろしくね➰。」 俊「うん。まかしとき。」 フリータイムの時間を確認しようと鞄を開き,しおりをあさくった。 しおりより先に目に入ったのはゴムで膨れた財布だった。 またドキッとして,財布を奥に押し込んだ。 俊「後で場所変えないとな…。」 桜「ん?なんの場所を変えるの?」 俊「ん‼いやっ,まあ,あの➰, 着替のパンツが上の方にたまってたから奥に入れないとなって…(笑)」 桜「あ➰ね」 俊(良かった…。) 今度は心の中で唱えた。 そうこうしているうちにみんな来て集合時間になっていた。 『ガラガラガラ‼』 先生が入って来た。
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