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「12…。」
その紙には、赤い細い字で、
〝12〟と書いてあった。
黒板を見ると、真ん中の列の真ん中だった。
すると絢香があたしの元へとやって来た。
「結衣、何番?」
あたしはくじの紙を見せ、
「12!!」
と言った。
すると絢香は、
「けっこう遠いわぁ~…。」
と言って、机を運んで行った。
あたしも急いで自分の席へと机を運んだ。
すると…
あたしの席の隣にはもう机があって、1人の男子が座っていた。
あたしがその横に机を置くと、その男子はあたしの方を見つめた…。
また…
あいつと目があってしまった…。
そう…あたしの席の隣は松岡 優也。
松岡は透き通ったキレイな瞳であたしを見ながら、
「よろしく。」
と少し微笑んで言った。
ほら…
またドキッとした…。
好きでも何でもないのに、
いちいち松岡の言葉にときめいてしまう。
そんな自分が情けない。
まだ…
あいつの事、忘れたわけじゃないのに…。
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