2.君の隣。

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「12…。」 その紙には、赤い細い字で、 〝12〟と書いてあった。 黒板を見ると、真ん中の列の真ん中だった。 すると絢香があたしの元へとやって来た。 「結衣、何番?」 あたしはくじの紙を見せ、 「12!!」 と言った。 すると絢香は、 「けっこう遠いわぁ~…。」 と言って、机を運んで行った。 あたしも急いで自分の席へと机を運んだ。 すると… あたしの席の隣にはもう机があって、1人の男子が座っていた。 あたしがその横に机を置くと、その男子はあたしの方を見つめた…。 また… あいつと目があってしまった…。 そう…あたしの席の隣は松岡 優也。 松岡は透き通ったキレイな瞳であたしを見ながら、 「よろしく。」 と少し微笑んで言った。 ほら… またドキッとした…。 好きでも何でもないのに、 いちいち松岡の言葉にときめいてしまう。 そんな自分が情けない。 まだ… あいつの事、忘れたわけじゃないのに…。
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