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「貴女、名前は?」
転校生はあたしに尋ねた。
あたしは転校生を馬鹿にしていたので、よし試してやろうと思い、大人しく答えてあげることにした。
日高珠里よ、とあたしは答えた。
転校生はそう、と答えた。
やはり笑わない。何だかコケにされてるみたいで、あたしは少し腹が立った。
「ここにいるのは何故?」
他人を見下したいからよ、とあたしは答えた。
転校生はその答えに少し興味を示したのか、少し眉をひそめた。まあ当然と言えば当然の反応ね。
「そんなに他人が嫌い?」
嫌いなんてものじゃないわ、愚かでしょうがないと思ってるのよ。あたしはそう答えた。
転校生は訝しげな表情のままだ。
そうよ、あたしのことなんてわからなくていい。
いえ、あたしを理解できるはずが無いのよ。だってあたしは低俗な人間とは違うもの。
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