相思相愛

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 闇に溶け、消えてしまいそうな彼女。  僕はその儚さに惹かれたのか、美しさに惹かれたのか、話しかけずにはいられなかった。この衝動をうまく表現することは出来ない。とにかく僕は彼女に近づき、声をかけた。 「そんな場所で何をしてるの?」  彼女は驚いているようだった。大きな瞳を見開いている。動揺? 初心なのかな。東洋人はそうだ、聞いたことがある。特に日本人は内気で、感情表現も恥じらいが主だとか。本当かはわからないけど、でも、この子はそうなんだろう。 「ねえ」  僕はもう一度話しかける。すると彼女はようやく僕に心を開いてくれたらしい、震える唇で言葉を紡いだ。 「な……何?」  それはこっちのセリフさ、こんな暗い場所に一人でどうしたんだい? 君のような美しい女性がこんなところにいては危ないよ。  僕はひとまずおびえる彼女を宥めるため、ライトな話から入ろうとした。大体の女の子はこう言えば落ちると友達が言っていたけど……僕はこんなことに慣れて居ないし、そんなに格好良い顔でもないから不安だ。
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