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そして今日は僕らの記念日。僕らが出会って二年、その思い出となる日だ。
だから今日は思い出の、初めて出会ったあの通りに来ている。
天気は生憎の雨だった。
小雨の降る世界は少し暗い。重たいと言うのかな。この陽気な国には似合わない。やっぱり出かけるのは晴れの日がいい。
雨のせいか、通りの店も少し抑え気味だ。普段ほどの人通りもないし、そこまで盛んな様子も無い。その通りを僕らは歩いていく。
着いたのはもちろん、あの路地。その入り口に、僕らは立った。
「ここに君がいたんだよね」
僕はそう言って彼女に微笑みかける。メグも少し俯いて、恥じらいながら頷いた。
「まさかこうなるなんて思わなかった?」
でも僕は思ってたよ。
そう言ったら、君はまた熟れた果実みたいに頬を染めるのかな。
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