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「重すぎる愛は自分を滅ぼすわよ? クリス」
至近距離で聞こえた声。暗くて重い、でも愛らしい声。
ああ、この声を、この声を僕は知っている。何度と無く求めた。いつも僕の傍にいてくれた。
そんな、君が。
「今回は『あの娘』が来る前に片付けられそうだわ」
そう言う君の口調は普段よりも大人びていて。
媚びない君はまるで別人のようだった。
「二年かかっちゃった。でももういいかしら。貴方を殺す理由がやっと見つかったし」
殺す?
何を言っているんだ。君は僕の彼女だ。僕が見初めた運命の人だ。僕が生涯をかけて愛し貫くと、そう思った、それが君なんだよ、メグ。
だけど、ああ、何故だろう。
君の名前を声に出せない。
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