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「そう。じゃあここでお別れね。貴女は私の快楽の邪魔だわ」
彼女は冷ややかに言った。それでも感情を感じる。それだけで、私はしめたと思った。私の、勝ちだ。
そうして彼女が消えた後、私はひとり街に佇む。
次はどこへ行こうか。
私の過去なんて、誰にも晒さない。私の気持ちなんて、誰にも理解させない。同情も励ましも嘲笑も何も要らない。
だから、次はそれを忘れられるようなところへ行きたい。そしてそこで、また私は私を満たしたい。
私が存在するのは私の気まぐれのため。私が生きるため。私の存在を、私自身で確立するため。
私はひとりだから。
だからそう、次は。
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