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彼女はなんだか冷たい感じがして、ボクには怖かった。
「遊んでるの?」
「う、うん」
女妖怪の質問は短くて、ボクの答えも一言だけだったから、風の音だけがさらさら流れていった。女妖怪はずっとボクを見つめてくるから、それも怖かった。
「なにか、用なの……?」
ようやくそれだけ訊けた。頑張ったよ、ボク。
でも彼女はそんなボクを嘲笑うかのように、素っ気無い返事をする。
「いいえ、特には」
じゃあ別にボクに話しかけなくてもいいじゃないか。
そう思ったりしたけど、そんなこと口に出来るはずもない。
……あ。
「もう十過ぎちゃった! ごめんなさいお姉さん、ボク行くね」
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