260人が本棚に入れています
本棚に追加
泣きそうになった。誰も出てこないから。
おかしいな、ボクってばこんなに泣き虫だったかな。確かに臆病ではあるし、泣くこともあるけど。
でも! ボクをいつも鬼にするようなやつらのために泣くなんて、そんなのおかしいじゃないか!
ボクの身体はでも、正直だ。涙が零れてきた。
「……どこ……?」
みんなどこ? 寂しいよ。みんなと遊びたいよ。もう鬼が嫌だとか言わないよ。みんなと一緒が良いよ。
だから出てきて。ボクは、一人が寂しいんだ。
「みんなぁ……っ!」
そのとき、手拍子がした。
ぱん、ぱんと規則的な拍子に合わせて、ボクは歌を聞いた。
最初のコメントを投稿しよう!