断罪の華

鬼ごっこ

「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」

　これは……？

「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」

　森から出てくる、ボクの「友達」。いつもボクをからかう、ボクの悪友たち。
　そんな彼らが、ボクを呼んでいる。

「芒」

　誰かがボクの名前を呼ぶ。返事ができない、できないよ。
　だって涙が。

「お誕生日おめでとう、今日から芒も『鬼』だね」

「いつもからかってごめんな。今日は特別だったから、芒を驚かせたかったんだ」

「いっ……いいよお……っ」

　だってみんな、ボクのためにやってくれたんだもん。ボクは、嬉しいよ。

　ボクは今日から、鬼になる。今日の夜は、元服の儀式がある予定だった。