四季~冬~

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仕事終わりの22時過ぎ 待ち合わせをして (コートを着せてあげよう) と思い 無理やり厚着した 待ち合わせの場所に早く着いた 君はいない 急に後ろから驚かされて 「遅いよ」って言った 白い息を吐き 鼻を赤くしたあなたは 「ツリーを見に行こう」って 子供のような顔で この夜が明けなければいい… きっとあなたも思ってるでしょう 少し低い肩にのった 粉雪が少しずつ 積もりはじめた 「あとどのくらいで着くの?」 聞くあなたに 「ここから目を閉じて」 と 冷えたあなたの手を引いて 階段を上っていった 二人の足が止まり 「目を開けていいよ」 と 開いた瞳の中に 飛び込んできた光 百万ドルの夜景が 水辺の海に映され 「まるで大きなツリーだね」 肩を寄せ合って見てた どれだけ時間が経ったろう 二人の声は白く 自然と組まれた腕に 少しずつ力が入っていった
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