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こうして毎日、自分の家に帰る前に必ず更紗の家に寄る。
更紗の母親も当たり前のように俺を受け入れてくれていた。
「洋君!まだ居てくれたのか」
30分後、更紗の父親が帰ってきた。
時々こうして対面している。
「はい。お久しぶりです」
「いやいや。更紗も喜んでるだろうよ。今日、一緒に夕飯でもどうだ?」
「いえ…母さんも待ってますんで」
「そうか…」
残念そうな更紗の父。
この人も、俺を息子みたいに思ってくれてる。
「長々と、お邪魔しました」
そう言って俺は立ち上がると、仏壇を一瞥した。
「また来てね」
「はい。明日もまた」
カバンを持ち、玄関に向かう。
「お邪魔しました」
頭をさげて外へ出ると、もうかなり暗かった。
『当然、か…』
もう10月だ。
こんな時間でも、暗くなる。
そうして俺はもう一度更紗の家を振り返った。
「!?」
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