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彼女の表情から、死ぬのが怖いと言う感情が分かる。
…………いや、表情を見なくても分かる。
それでも彼女は戦うんだろう。
………少しでも僕の手伝いがしたくて。
それでも彼女は戦うんだろう。
………例え、自分じゃ勝てなくても僕が倒してくれることを信じて。
……彼女は戦うんだろう。
「それでは、行ってきます。」
そう言って、彼女は後ろを向いた。
そして、歩きだした。
………………ごめん。
君の決意を踏みにじる事をして。
僕は、彼女の後ろに目に見えない早さで移動する。
そして、彼女の首筋に手刀を入れる。
「うっ」
彼女は呻き声を上げて意識を失い、僕の方に倒れてきた。
僕は、彼女を受けとめた。
そして、ゆっくり下におろした。
僕は、おろした彼女に転移魔術をかけた。
場所は、上級の魔物がゴロゴロいる森。
人間は、まずいない。
と、言うより人間じゃ死ぬ。
まぁ、彼女だったら普通に生活できるだろう。
そして、彼女のまわりが光りだした。
光はみるみるうちに僕の視界を奪い、そして光がなくなる寸前に僕は呟いた。
「………………じゃあね。
…………『ヒョウカ』」
そして、彼女の………いや、ヒョウカの転送が終わった。
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