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バン!
誰かが扉を勢いよく開けた。
僕は、そっちの方を見る。
……………案の定、勇者達だった。
「む!
お前が魔王か?」
その中で、リーダーみたいな勇者が口を開いた。
「そうだけど………何?」
何か文句でもあるのかな?
…………………こんな時にまでボケて、恐怖を紛らわそうとしている僕がいた。
…………………どうしょうもないチキンだな。僕。
「そうか………、お前が諸悪の根源であり、存在してはならない者か……。」
自分のことながら、酷い言われようだな。
僕は、思わず苦笑した。
ここで、僕は質問することにした。
………ずっと引っ掛かっている事がある。
「なぁ、勇者。」
「何だ?」
「僕ってさ、何か悪いことしたっけ?」
そう、僕は今まで魔王らしいことなんかしていない。
そして、返ってきた答えは、
「黙れ。
お前は存在自体が罪なのだ。」
………………………そうか。
僕は、存在自体が罪なのか………。
「はぁ~、分かった。
君達は、僕を殺しに来たんでしょ?
でも僕は、そんな下らない理由で殺されたくない。
だからさ?」
僕は、空中で鞘から剣を抜くようなモーションをする。
すると、何もない空間から剣が出て来た。
「全力で戦うよ。」
僕は、勇者達に切り掛かっていった―――――
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