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あの時の自分は、本当に油断していたんだと思う。
昼休みに屋上で昼御飯をすませた俺は、コンクリートの床に寝転がって流れる雲を見ていた。
春が近づいてきて、日差しは暖かくなってきたが、風通しのいい屋上は俺以外誰もいない。
昼休みにサッカーでもしているのか、グラウンドから賑やかな声が聞こえてくる。
俺はその声を聞きながら、目を閉じた。
穏やかな時間が、ゆっくりと過ぎていく。
友人や弟からは年寄り臭いと言われるが、俺はこんなのんびりとした時間が好きだった。
(なんか、急に歌いたくなったかも)
周りには誰もいないし、少しくらいなら大丈夫だろう。
俺はそう思って、浮かんできたメロディーを口ずさんだ。
それが、俺のこれからの人生を一変させるとは知らずに――。
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