迷い路

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運転席をあけようとしたけど開かない。外からやってみてもダメ。反対側のホームのドアを開けられたら雅は来れるのに。駅に発車ベルが響きだす。 「雅!あんたはこのまま死ぬのよ!あいつだけ生き返る。残念だったねー!」 雅に向かって鎌を振る。一生懸命避け続ける。とにかくなんとかしないと。窓を割って入ってしまえば良いことだと気がつき、割るための道具を探す。しかし、誰もそんなものは持ってない。 「あ…」 あった。私はブーツを脱いで振る。3回目で窓は割れた。しかし電車の扉は閉まってしまった。雅は私を見て何か言っている。でも今は聞いてる時間はない。運転席に転がりこんだところで電車が動き出す。運転席の横のドアは鍵を開けるとすんなり開いた。 「雅!こっち!」 雅が走り出す。電車も走り出す。ゆっくりと加速しながら。私は雅に手を伸ばす。雅も私に手を伸ばす。ホームはあと少ししかない。 「もう観念しなさいよ!」 後ろからスイが追ってくる。雅はさらに走る。指先が触れ、手のひらが触れ、雅が電車の中に転がりこんだとき、電車はホームから飛び出していた。
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