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「早く来い!」
「だから、人違いです!」
目の前の少女はロークの手を握ったまま離さない
ローク「………!」
何かを言いかけ、口を開いたロークだったが、直ぐに閉じてしまった
「(ああ、声、出ないでしょ?)」
そう、声が出ないのだ
おまけに、体は金縛りにあったかのように動かない
仲間に知らせる事も出来ない
ローク「(何したんだよ一体…!何で俺の心が読める!)」
「(今、私と貴方の心はこの仲良く繋いだ手と手で繋がってる…だから私の心の声も聞こえるの。逃れる事は不可能よ。)」
ローク「(何者なんだ…?何が目的でこんな…)」
「(だから、そこの神軍共の言ってる通り、コローリアよ…貴方みたいな男、大好物なんだぁ…)」
目の前にいる少女は泣き顔になっているが、心中の少女は不気味な笑みを浮かべているに違いない
「(貴方…力が欲しいのね。)」
ローク「―――!」
「(素直なのね。真っ直ぐに貴方の思いが伝わってくる。)」
周りに気づかれないよう、指を絡めてくる
「(それに、酷く怯えてるわ。力が無いが為に、大切な人達を守れなかったのね…)」
ローク「(………めろ…やめろ…!入ってくるな!)」
ロークは、震え、動かない手を無理矢理に振り払おうとする
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