さらわれたローク

10/11
328人が本棚に入れています
本棚に追加
/2360ページ
「(可愛いそうな人…)」 少女は逃げようとするロークの手に更なる力を加える そして、囁くように言った 「(差し上げましょうか?"二度"と負けない、強大な力…)」 ローク「(なんだと…!?)」 「(私と来れば、貴方は力を手に入れる事が出来る……)」 ローク「………………!」 罠だとは分かっている… 分かっているのに…… 神軍兵の一人が、黙り込んでいるロークに異変を感じたのか、話しかけてきた 「『蒼の満月』…?返事をして下さ―――!?」 ゆっくりと此方を向いたロークの瞳を見て、神軍兵は驚愕する ロークの瞳は、意志を宿していなかったのだ リリー「………!?」 シード「おい、なんか変だぞロークの奴…!」 シードが建物の陰から姿を現す シード「ローク!何やってんだ!?」 応答がないロークに舌打ちし、シードは彼の元へ走り出した ミルは立ち竦み、少女を見詰めた 視線に気づいたのか、少女は同じようにミルを見つめ―― ミル「―――!?」 不気味な笑みを浮かべた シード「(後少し…!)」 シードはこちらを向かないロークの肩を掴もうと手を伸ばす だが、それが届く事はなかった  
/2360ページ

最初のコメントを投稿しよう!