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「(可愛いそうな人…)」
少女は逃げようとするロークの手に更なる力を加える
そして、囁くように言った
「(差し上げましょうか?"二度"と負けない、強大な力…)」
ローク「(なんだと…!?)」
「(私と来れば、貴方は力を手に入れる事が出来る……)」
ローク「………………!」
罠だとは分かっている…
分かっているのに……
神軍兵の一人が、黙り込んでいるロークに異変を感じたのか、話しかけてきた
「『蒼の満月』…?返事をして下さ―――!?」
ゆっくりと此方を向いたロークの瞳を見て、神軍兵は驚愕する
ロークの瞳は、意志を宿していなかったのだ
リリー「………!?」
シード「おい、なんか変だぞロークの奴…!」
シードが建物の陰から姿を現す
シード「ローク!何やってんだ!?」
応答がないロークに舌打ちし、シードは彼の元へ走り出した
ミルは立ち竦み、少女を見詰めた
視線に気づいたのか、少女は同じようにミルを見つめ――
ミル「―――!?」
不気味な笑みを浮かべた
シード「(後少し…!)」
シードはこちらを向かないロークの肩を掴もうと手を伸ばす
だが、それが届く事はなかった
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