雄ふたり

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 「あい……あい……」  名前を呼びながら泣くのり。俺の顔に滴が何粒も振りかかる。  流石に俺もおかしいと思い、前足を伸ばしておそるおそる触れてみた。普段から熱がない俺の肉球よりも、ずっとずっと冷たかった。  「お、おい、どうしたんだよ一体……!」  俺は訳もわからずに叫んだ。のりは泣くばかりで何も言わない。
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