雄ふたり

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 後ろから肩にひっついて、無我夢中で爪を立てる。がりがりがりがり。  「いてぇ! やめろレオ! 止めるな!」  「止めないわけないだろ! 落ち着け!」  俺は必死に引っ掻き続けた。  それに負けたのか、単に気力がなくなったのか、のりは地面に膝をついた。  「そうだよな、俺にはお前が必要で、お前には俺が必要だもんな」  そうだ。俺の世話係、ちゃんとやれよ。
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