雄ふたり

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 あいがいなくなってからも、のりが出してくるので、ひたすら咀嚼する。いつもと変わらない日常。  俺の隣にも、のりの隣にも、あいは居ない。これは非日常。慣れるまでに時間がかかりそうだ。  悲しみに打ちひしがれるといった雰囲気で居るのりに、猫パンチを食らわせてみた。  「うわっ、何すんだよ」  「いつまでもしょぼくれてるからだよっ」ともういっちょ猫パンチ。  「……いってぇなぁ」  俺がからかっているのがわかったのか、一瞬笑ったものの、すぐに表情が翳る。  「ったく、しゃぁねぇなぁー」  あいにしていたように、後足をバネにして、のりに飛びついた、そのとき。
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