雨音と惚気話――

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――こんな惚気話しを始めたところで、誰もが呆れ顔でため息をつくに違いない けれど、多分確認したかったんだと思う。 自分の気持ちを。 きっと誰も聞いちゃいないこの頭ん中で   はこうして、自分に問いかける 誰かに語るようにしながら、自分自身へ、ひとつひとつを確認し忘れないように 確かめなきゃ解らない気持ちなんて、そんなもん本物じゃないって誰かが言った。 素直に好きだと思えないのなら、既にお前は相手の事は好きなんかじゃない。 『ほら、言ってみなよ、好きだってさ』 解らなくなる事ってあるんじゃないのか お前らはどうなんだ? 同じヤツが好きだって、一生言い続けられんのか? 1分1秒と変わらずに想っていられるのか それができない自分は やはり彼女の事を一番に想ってやれていないのだろうか いい年した自分だが どうにもこうにも、恋愛事情は中学生と変わらない ひとつひとつに戸惑い また、それらがめんどくさくなったりして なぁ? 『おはよう!これから家出る!』 毎朝の定番メールが送信されてきたところで、自分も家を出る。 これで一応、駅前の交差点で会えるような計算になっている。 かれこれ2年間、同じスタイルだ。 .
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