15/20
前へ
/20ページ
次へ
その日からの俺は、極力人との関わりを避けた。 まだ新しい仮面を作る気にはなれない。 学校は休むか、行ってもサボるか。 まさに廃人だ。 今日もひとり、屋上にごろんと寝転がり何をするわけでもなくただ空を眺めていた。 天気も良く、ほんの少しではあるが気も晴れる。 ゴロゴロしたり寝たり、今日もダラダラと過ごして気づけばグラウンドから部活の生徒達が準備体操をしている声。 ポケットから携帯を取り出し時計を見れば、とっくに授業は終わっている時間だ。 ボーッと画面を眺めていると、パッと画面が暗くなり、映るのは無表情の自分の顔。 「…キモ。」 ぼそりと呟き起き上がると、携帯をポケットにしまった。 手足を思いっきり伸ばして少しため息をついた後、屋上の重いドアを開けた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

412人が本棚に入れています
本棚に追加