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さっさと靴を履き替えて歩き出すと、
「~~~っ、話くらい聞けや!」
ドスッ
「!?」
脇腹に強烈な打撃。
思わず座り込んで悶える。
「いっ…てぇぇ!おま、腹はねぇだろ!」
「俺だって男なんだからな。お前を止めることくらいできる。」
そう言って譲は俺の前にしゃがみ込み、さっきまでの怒ったような顔から一変、眉を下げて俺を見つめた。
「…男だから…まさか涼が、そんな風に思ってるなんて全然気づかなくて。…いっぱい傷つけたと思う。…ごめん。」
「…なんで譲が謝るの。譲はただ翔平を好きだっただけでしょ。」
「……翔平。菊池さんと付き合うことになったって。」
「…………そう。」
「…俺、すげー泣いたよ。」
「…うん。」
「…涼に、傍にいて欲しかったよ。」
「…………」
「…都合良いのわかってる。でも、あの時は他の誰でもなくて、涼に…いて欲しかった。
涼と会えない時も、会いたかった。
それは、ほんとだから。」
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