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お前のその横顔を見る度に
あいつの笑顔を見る度に
お前の目を塞ぎたくなるよ。
「ゆーずーるーくん。」
夕方の、誰もいない教室。
ひとり窓際の席に座っている譲に声をかけた。
「…涼。」
視界を遮るように窓に寄り掛かって立てば、やっと譲が俺を見る。
「まだいたの。」
「うん。今日日直だったから、日誌書いてた。」
「とか言って。どーせまた見てたんでしょ?翔平のこと。」
「…うるさいな。」
譲はふて腐れたように口を尖らせ、白紙に近い日誌に視線を落とした。
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