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「なんであんなのが好きかなあ。なーんかヘタレっぽいし。」
異変に気づかれたくなくて、ちょっと意地悪をしてみた。
が、譲は気にするそぶりもなくただフッと笑った。
「確かにな。ヘタレにはヘタレかも。」
「でしょ?スポーツ馬鹿って感じだし。」
「そうそう。いっつもサッカーのことばっかりで。」
「…顔も普通だしさ。」
「あは、自分でも言ってた。」
俺が悪口言ったって否定もせずただ笑う譲に、余計胸が痛んだ。
悪いとこも全部好きだって、言われてるみたい。
「…じゃあ一体、何が?」
こんなこと聞いても傷つくだけだってわかってるのに、言わずにいられなかった。
何がそんなにお前を夢中にさせんの?
笑顔にさせんの?
寂しい顔にさせんの?
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