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「もういいや、これで。日誌終わり。」
シャーペンをペンケースにしまい、帰り支度を初めた譲の持っていた日誌をひょいと取り上げた。
「俺も職員室行く。で、一緒に帰ろ?」
「あ、うん。ありがと。」
またにっこりと笑って、譲とふたりで教室を出た。
「失礼しましたー。」
担任に日誌を渡して、職員室を後にした。
たわいもない話をしながら昇降口へと向かい、靴を履きかえる。
外に出てみると、もう夕日は沈みかけていた。
「日が短くなったなー。」
譲がぽつりと呟く。
「もう秋だしねー。」
「秋かあ。冬になったらこの時間、もっと暗くなるんだろうな。」
「俺冬きらーい。」
「寒いから?」
「そ。」
「どーせ暑いのも嫌いなんだろ。」
そう言って譲が笑う。
俺も、自然に笑った。
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