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「涼はさー、好きな人とかいないの?」
唐突な質問に、せっかく自然に緩んだ顔にまた仮面が張り付く。
「どうしたのー?いきなり。」
「だって彼女とかいたら、冬嫌いでも楽しくなるかと思って。」
彼女、ね。
女の子相手だったらいくらか楽だっただろうに。
「いないよ、好きな人なんて。」
「いないんだ。」
「意外?」
「んー、涼イケメンだしさ。いっつも笑顔だからモテそうなのになーと思って。」
「あは、そう?」
「うん。俺、涼の笑ってる顔好きなんだよね。」
「…笑ってる顔かあー。」
こんな顔が?
いつもギシギシ音立てて、今にも崩れそうで、必死に作ってる笑顔が好きだなんて。
…笑っちゃうよね。
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