求めるチカラ

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僕達が住んでいるのは、父の持ち物だった、古びた洋館だった。 幽霊でも出そうな雰囲気に、子供の頃はドキドキしたものだ。 雷は、外でよく遊んでいた。そして嵐は、一日中図書室にいることが多かった。 嵐はその頃の事を、思い出したのだった。 ……確か…この辺に…… 沢山ある本の中から、それを見つけることは、簡単な事ではない。 ましてや、5~6歳の記憶だ。その記憶自体が本当かどうかさえ、分からないのだ。 でも、嵐には確信めいたものがあった。 予感がしているのだ。 そんな時、ある一つの本が目にとまった。 それは紛れも無く、記憶の中の本だった。
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