一章~出会い~

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 この女性は、顔立ちはとても整っており、髪の毛は肩までのショートヘアー。それに加えてくりっとした目に、そしてどこか人を寄せ付けないような感じのオーラがあった。そんな人がいるとも思わないでハイテンションで入っていったせいか恥ずかしくなってしまった。僕は彼女に軽く会釈をした。  今まで、そこのお店に来ているお客様に挨拶をしたことがなかったのに、このときはなぜか体が勝手に反応してしまった。  「とても細い人ですね」  これが僕の彼女に対する第一印象であった。それからというものの、僕は次第に彼女を意識し始めていた。きっと生まれて初めての一目惚れだったと思う。夜、寝床につくときは決まって彼女のことを考えていた。どこの高校だろうか。彼氏はいるのだろうか。そして、僕のことをもう忘れてしまっているのだろうか。考えれば考える程、事態は思わしくない方向に向かってしまう。
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