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カイン第七高等学校。それがクウ達が通う学校の名前だった。 カインというのは町の名。第七というのは単純に、カインに建てられた学校の順番。 だからクウ達の学校は七番目に建てられたことになる。 現在カインにある学校は10。その中でも第七高校は一番歴史がある学校だった。 そこの高校より番号が若い学校も古い学校も全て壊され、今は別の名前で存在している。 名前に番号が入っているのは、もうここだけになってしまった。 「そういえばさ」 帰り道の途中、ふと立ち寄って買ったアイスを片手に持ちながら、ヤルムが言った。 「クウは決めたか? 志望校」 「志望校…………あぁ、あれね」 朝。ヤルムから配布された用紙を思い出してクウが人差し指を彼に向ける。 そうじゃないほうの手にはペットボトルのお茶が握られており、チャプチャプと揺れていた。 「すっかり忘れてた」 「確か明日までだったよな? 今日配られて明日締切って早いと思うんだけど」 「しょうがなんじゃん。ぐずぐずしてると夏休み入っちゃうし。 それに夏休み中に整理するから、早く提出するに越したことはないでしょ?」 「わかってるさ」ヤルムがアイスを囓った。 「でもさ、こんなすぐに決められるわけないだろ。 進学するかも決めてないし」 「僕は進学することは決めてる。だから、調査用紙には進学希望だけ書こうと思ってるけど」 もらった用紙には、志望校が決まっていない生徒のために幾つか逃げ道が用意されていた。 志望校が決まっていない生徒は取りあえず進学か就職か。進学を希望するのであれば文系か理系かを決めるように指示されている。 だがまだ彼等は2年生。将来のことを決めるにはまだ早過ぎた。 ほとんどの生徒が進学するかも決めかねている状態。 もちろん教師達も、全員決まっているとは最初から思っていない。 これはあくまでも“調査”であり、決まっている生徒にはアドバイスを。決まっていない生徒には、もうそんなことを考えないといけないのかと分からせるための調査だった。  
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