576人が本棚に入れています
本棚に追加
宣言通り、次の日学校に行くとヤルムが用紙提出と叫んでいた。
中には忘れてた奴もいたが、ヤルムがすぐさま懐から手品のように新たな用紙を出して配り、今書くように言っている。
今日中に全て集めきるらしい。
ほんとに出来るのかと期待しながら、クウはヤルムにプリントを渡す。昨日アクロと相談しながら書いたため、きちんと全て埋まっていた。
「よし。OK」
「ありがとうございます」
深々と頭を下げて席に座る。すると後ろにいたライム・アッシュが背中をペンで小突いてきた。
「なあ、ヤルムどうしたんだ? やけに気合い入ってるんだが」
2人してヤルムに目線を向ける。
話題の彼は来る生徒全てに用紙の提出を求めていた。
「アクロ先生に言われたんだって。今日中に集めるようにって」
「全員分?」
「それはわからないけど」
「全員分……集めれると思うか?」
口ではそう言いつつも、ライムの顔は無理だろと書いてある。多分クラス中も全員そう思っているだろう。
だが、クウだけは。
「出来ると思うよ」
はっきりと言い切った。
「だって、ヤルムだもん」
そしてその言葉通り、ヤルムは昼休みまでには全員分集めて提出していた。
最初のコメントを投稿しよう!