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ほとんど人気の無くなった校舎。夏休み前ということで午後の授業がない今日は、お弁当を持ってくるのも自由になっている。 持ってきた人だけが、お昼を食べるために校舎に残っていた。だが、わざわざお弁当を持ってくる稀有な生徒はほとんどこの学校にいない。 全校生徒の3割にも満たないだろう。 今はお昼もだいぶ過ぎているため、残っている生徒はさらにその半分ほど。校舎にいる教師のほうが多いだろう。 それを喜びつつ、2人の男子生徒は図書館と書かれた扉をそっと開いた。 予想通り、中には誰もいない。 いつもいるはずの受付も空だ。 「いない……よな」 「うん」 図書館の中は静まり返っていた。 足音も呼吸音も聞こえない。 2人は外に誰もいないことを確認してから中に入り、扉を閉め、内側から鍵をかけた。 「どこにある?」 「奥だろ」 声無き声で会話しながら中へと進む。本棚を20ほど背中においたころ、図書館の奥にたどり着いた。 壁を守るように置いてある本棚。そこの右に、鉄製の扉があった。迷うこと無く扉を開く。扉にかけてあった『この下、資料室』の札がカランと乾いた音を立てた。 音は扉の向こうに入り、反射を繰り返して少年達より早く下っていく。 扉の向こうは階段があった。上には裸電球が一定間隔で吊されており、淡く階段を照らす。 「閉めるぞ」扉をしっかりと閉じて、階段を下りだす。階段の数はそこまで多くなく、すぐ下に着いた。その先にあるのはただ1つの扉。資料室。 「ここだ」 ドアノブをゆっくりと回す。鍵がかかっているかと思いきや、ドアはすんなり開いた。  
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