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「めざまし会社はもう少しそういうところに気を配って欲しいよな」
うん。と大きくうなづく彼。そんなに言うなら買い換えればいいのだが、ヤルムの性格上、それは考えにくかった。
ヤルムはとにかく物を大切にする。
ノートも背表紙もきっちり使うし、鉛筆も消しゴムも無くなる一歩手前まで使う。
当然のごとくボールペンは最後まで使い切るし、教科書も入学したときからずっと捨てていない。
捨てられない性格といえばそれまでだが、ヤルムはそれを嫌ってはいなかった。
『俺はなんだって大切にするんだ』
ヤルムと知り合って間もない頃、そう言われた記憶がある。
そしてその通りだと思ったこともまだ覚えていた。
ヤルムは、友達も大切にした。
陰口や悪口を言ってる姿を見たことなかったし、あいつ嫌いということもない。
そして困っている人のためなら本気でどうにかしたいと思っている奴だった。
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