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……これが意図された小説か何かの物語なら、 僕は16歳の平凡な高校生── なんて感じに始まるに違いない。 まあ、大体は合っている。 ただ、一人称は“僕”ではなく“俺”だがな。 今どき“僕”なんか使ってたら、今風に『キモイ』とか何とか批難されるに決まってるからだ。 よって、その集団心理に基づき、俺も一人称を“俺”としている。 集団心理やらの類は漏れなく逆らいたくなるものだが、逆らった所で利潤は皆無だということぐらい誰にでも分かる。 しかしだ。 俺が言いたいのはそんなどうでもよい事では無く、初めに記した例文 『平凡な…』 の部分についてだ。 これを抜かせば、成る程。 この物語となんら語弊は無い。 ただ、残念な事に俺は一般人とは生まれつき違っている様なのだ。 違っているとはいえ、目が三つあったり、腕が一本しかないとかいうものではない。 俺はしっかりと五体満足生まれだ。 ここは母親に感謝だな。 では、何が一般人と違っているのかと言えば…、 霊が見える事ぐらいであろう。 …そこ、笑って良いぞ。 まあ、信じて貰えないのは目に見えている。 別に霊信仰の布教運動なんかに無駄なエネルギーを使おうなんても思っていない。 ただ、こういう設定だと思ってくれれば構わない。 さあて、 どこから話そうか…?
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