日常

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つまり…だ。 俺が言いたいのは、 俺は霊視が出来るだけで、他はそこら辺の一般庶民と変わりない と、言うことである。 故に、俺は普通の平凡な学校生活を送れている。 心配するな? 『イッヒッヒッヒ。お前さんの後ろに交通事故で死んだ女の魂が…』 なんて事はしていない。 どうやら俺は正しい選択をし、正しい道を歩んでいる様で、 友人もいるし、目立つ事も余りない。 誰も俺が霊能力者だとは夢にも思わんだろう。 ……なんて自己紹介している間に目的地に着いた様だ。 校門の表札が、 『百々槻東高等学校』 と、書かれている事から見ても、間違い無いだろう。 周りを見渡せばパトカーが二台止まっているではないか。 狭い町なだけに中々、大事になっているようでありますな。 今頃PTAが、 『学校側の不注意が原因だ』 とか、騒いでいる事であろう。 全く、ヒステリックな団体だ。 情け深い俺は、学校側が気の毒だと心から思う。 「………………」 …折角だ。少し中の様子を覗いていこう。 俺は堂々と校門を潜っていく。 なぜ、こんなにも堂々としていられるのかと問われれば、 十中八九、制服のお陰だろう。 何をトチ狂ったのか、 俺の通う百々高と、この東高は制服が“ほぼ同じ”なのだ。 違うのは、端に申し訳程度に縫い付けられた“百々槻高校”と“百々槻東高”の部分のみ。 余程近くで見なければ判別は不可能だろう。 そう言う理由で、俺は堂々と東高に不法侵入する事が出来るという訳だ。 「プールは…と」 プールを当ても無く探す俺に警察官の姿が目に入った。 いや、あの制服は鑑識か? まあ、良い。 「一名様ご案内」 独りごち、俺は鑑識の跡をつけた。
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